FIRE用語集
FIRE・セミリタイア・4%ルール・シークエンスリスク・取り崩し順序など、資産寿命の試算に出てくる用語を平易に説明します。
FIRE
Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期退職)の略。 資産からの収入で生活費をまかなえる状態を指します。
完全に働かないものだけを指すわけではありません。 資産を土台にしつつ働き方を選べる状態(セミリタイア)も含めて使われます。
セミリタイア
資産を取り崩しながら、収入の一部を働いて得る状態。 完全なFIREより必要資産額が小さくなります。
このシミュレーターでは「退職後の副業収入」として計算に入れられます。
4%ルール
年間支出の25倍の資産があれば、毎年4%ずつ取り崩しても資産が尽きにくい、 という経験則。米国の過去データにもとづく研究(トリニティ・スタディ)が元です。
日本で使うには注意が要ります。税率・社会保険料・年金・教育費の制度が違い、 円建ての資産と外貨建ての資産で為替の影響も受けるためです。 このシミュレーターが1年ずつ積み上げているのは、この差を無視しないためです。
資産寿命
資産が尽きるまでの年数、または尽きる年齢。 このツールの結果画面に出る「資産が尽きる年齢」がこれにあたります。
成功確率
目標年齢まで資産が尽きなかったシミュレーションの割合。 このツールでは1,000回まわして計算しています。
モンテカルロ法
乱数を使って何度も試行し、結果の分布を見る手法。
運用リターンは毎年同じではないため、「平均6%」で計算すると 実際には起こりうる幅が見えません。乱数でリターンの並びを作り、 その並びで人生を1回まわす——これを繰り返して分布を出します。
シークエンス・リスク(収益率配列リスク)
同じ平均リターンでも、悪い年がいつ来るかで結果が変わるというリスク。
退職直後に大きく下げると、下がった資産から取り崩すことになり、 その後の回復に乗る元本が減ります。同じ下落が退職の20年後に来た場合より 資産寿命が短くなります。
平均リターンだけを見る試算では、この差が出ません。
NISA
少額投資非課税制度。株式や投資信託の運用益(値上がり益と分配金)が非課税になる 国の制度です。課税口座では売却益に20.315%がかかります。
銀行の普通預金の金利は年0.02%程度です。長期の株式投資で期待される年平均リターンは 3〜7%程度とされ、この差が数十年では大きく開きます。 FIREを考えるとき、資産を預金だけで持つか運用に回すかは必要資産額を大きく左右します。
このシミュレーターは NISA口座と課税口座を分けて入力でき、 取り崩しの順序と税額をそれぞれに合わせて計算します。
取り崩し順序
複数の口座から資産を取り崩すときの順番。 このツールは預貯金 → 課税口座 → NISA の順です。
非課税の枠を最後まで運用に残すほうが、同じ取り崩し額でも手元に残る額が大きくなります。
実質と名目
- 名目 — その年の額面の金額
- 実質 — 物価上昇を割り戻して、今日の物価に直した価値
判断に使うのは実質です。名目の額は物価上昇のぶん大きく見えますが、 買えるものは増えていません。
マクロ経済スライド
公的年金の給付額を、物価や賃金の上昇より少しだけ低く抑える仕組み。
インフレ率が0.3%を超える年は名目では増えますが、物価上昇には追いつかず 実質的には目減りします。このシミュレーターは常に適用しています。
標準報酬月額
社会保険料と厚生年金の給付額を計算するための、給与を等級に区切った金額。 上限は65万円(第32等級)です。
退職所得控除
退職金にかかる税を抑えるための控除。 勤続20年以下は40万円×勤続年数、20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20)。 控除後の残りの2分の1が課税対象になります。
任意継続
退職後も在職時の健康保険を続けられる制度。2年間のみです。 保険料は在職時の標準報酬月額をもとに決まり、労使折半がなくなるため 在職中の自己負担の約2倍になります。
iDeCo・企業型DC
掛金が所得控除になり、運用益が非課税になる私的年金制度。 受け取り時には退職所得控除または公的年金等控除が使えます。
原則60歳まで引き出せないため、FIREの時期によっては 「資産はあるが使えない期間」が生まれます。このツールはその期間も計算に入れています。